家庭犬のドッグトレーニングとは

ドッグトレーニングとは、「犬のルール」で生活している飼い犬に「人間のルール」を教え、飼い主さんには「犬のルールや考え方」を教えることだと思っています。
当然犬には言葉が通じないですし、「人間のルールがある」なんてことも知りませんので、人と暮らすにはルールがあるんだということを知らせ、トレーナーの言葉の分かる飼い主さんが飼い犬をフォローしながら生活していく必要があります。
そのためには飼い主さん側にも根気が必要となります。

人間の例で言えば、日本語も日本のルールも知らない外国人の子どもに、イチから日本のルールを教える状況であると理解してください。（屋内では靴を脱ぐ、食事は箸を使う、等）
しかもその子が日本語を理解することは、今後絶対にありません。
ですから、身振り手振り、顔の表情も大事ですし、メリハリも必要です。
ドッグトレーナーとは、そんな「外国人にモノを教える方法」を教えるのが仕事です。
ですから、日常的に外国人(犬)にモノを教えるのは、常に一緒に暮らしているあなた(飼い主さん)ということです。

また、素質のある子だけが教育を受けている「職業犬」とは違い、「家庭犬」というのは素質があろうがなかろうが誰もがしつけを必要としています。
職業犬のしつけが「職業訓練」であり、家庭犬のしつけは「初等教育」と思ってください。
当然、犬にも人間と同じように個性がありますので、物覚えの良い悪い・理解度の速度・集中力の高さ低さなどは犬によって違います。
同じ親から生まれたレトリーバーが必ず全頭盲導犬になれるわけではないことを考えれば、犬にも個性があるということが理解できると思います。
なお、上記の例で言うと、家庭犬のドッグトレーナーは「家庭教師」ということになります。

ですから、「あの子は数日でできるようになったのに、うちの子は1カ月もかかった」など、気にする必要は全くありませんし、それはドッグトレーナーのせいでもありません。
その子にはその子のペースがありますので、苛々せずに「いつかできる」と気楽に構えてあげてください。
飼い主さんが苛々してしまうと、飼い犬も様子をうかがってビクビクしてしまうので、逆効果です。

ですから、長い目で見てあげてください。
2年も3年もかかりません。
1年も続けていれば、どんな犬でも覚えられます(^-^)